カテゴリ
以前の記事
ブログパーツ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2009年 06月 29日
大学生の頃、探検部に所属していたので文化人類学というものを少しかじりました。
ちなみに文化人類学とは、人類の社会・文化の側面を研究する学問であり、生活様式・言語・習慣・ものの考え方などを比較研究し、人類共通の法則性を見いだそうとするものである。(大辞泉から引用) その文化人類学の人気が低下して久しい、といいます。 先月17日に、国立民族学博物館館長須藤健一さんのインタビューが日経夕刊に掲載されていました。 ご覧になった方も多くいることでしょう。考えさせられました。 人気低下の理由をこのように述べています。 交通の便がよくなり自由に旅行ができるようになり、学問から学ばなくても自分の目で確かめられるようになったこと。 日本の方がいいと考える人が増え、どんな国でも相対的に同じ価値があるとする文化人類学への疑問が生じてきたこと。 もっともなことだなあと思わざるを得ません。 私が学んだのは、文化の等価値性ということでした。 どのような文化であっても、価値に上下はなく等しい、ということが原則というものです。 今思えば、この原則は社会主義崩壊前の民主主義が絶対だと思われた時代の産物だったのかな、と思えてきます。 実際の話し、発展途上国で民族調査を行っても、それが現実の生活に何の役に立つのかといえば、ほとんど何の役にも立ちません。 知的好奇心を満たすだけのことです。 実利が幅利かす時となり、80年代前半まで信じられていた文明社会に影響を与えるという幻想は消滅したのでしょう。 続けて、人気低下の理由として、長期滞在して研究するフィールドワークが敬遠されてきたことを挙げています。 今の若者は、何でそんなことをする必要があるのかと冷めている、とも述べています。 わざわざ不便で日本語の通じないところで暮らすことを好き好む若者が減っているということです。 若者の海外旅行への関心が低下しているのと同じ理由ですね。 快適で便利な生活が日常なのに、わざわざ素晴らしい環境を捨てることを選択しないということなのでしょう。 好奇心の範囲が自分と自分の周りのことだけで、遠くのことまで及ばないという気質の表れです。 就職難となり学生は実利主義に走り、文化人類学を学ぶ人は研究を続けても食えないという厳しい現実がある。 だが、こういう時代だからこそ自分で考える力を養うことが大事とも述べます。 「大地に夢を」と私が所属していた探検部の団旗に書かれていました。 大地に夢をもつ者が少なくなり、現実主義の若者が多くなったということなのでしょうか。 寂しい話しです。 画像点数14万点超のストックフォト販売サイト デザインコンシェルジュはこちらから
by mixa_suwa
| 2009-06-29 09:37
| 神楽坂よもやま話
|
ファン申請 |
||