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2009年 07月 06日
さて、問題です。
こだわりパンを販売する小売チェーン店でのお話です。 ここの店長は売れ残るのが大嫌いで、いつも固く仕入れを行っています。 お店が閉まる前には、ほとんどのパンが売り切れで破棄する商品が少ないことが自慢です。 あるときオーナーが閉店間際の夕方に視察に来ました。 いつものように棚には売り切れで商品が並んでいません。 店長は自慢げに「うちはいつも完売で商品を廃棄することがありません。」 喜んでもらえると思ったのに、それを聞くやオーナーは顔を真っ赤にして怒りました。 「バカモノ!お前は商売を全然分かっていない!」と怒鳴りました。 店長はびっくりして、目を白黒させています。 何故、オーナーは怒ったのでしょう。 答えは、販売機会の損失により、本来なら得られる利益を逃がしているから、です。 例えば、こういうことです。 1個100円で販売するパンを60円で10個仕入れました。1個あたりの利益が40円ですから合計400円の利益を得ていました。 ところで、売り切れではなく20個仕入れて17個販売して3個が売れ残って廃棄したとします。 得られる利益は40円×17個−60円×3個=500円となります。 つまり、3個売れ残っても20個仕入れたほうが儲かった、ということになります。 このようなことを販売機会の損失と言います。 つまり、17個販売できる機会がありながら商品が10個しかなかったため7個販売する機会を損失した、ということです。 市場原理で言えば、売り切れ完売よりも廃棄のほうが利益が出るので正しい、ということになります。 コンビニが大きくマーケットを広げる背景には、このような考え方があるわけです。 つまり、いつ行っても棚に商品がぎっしりと並んでいる状態が望ましいというわけです。 ところが、この考え方に疑問を持つ人が出てくるようになります。 廃棄するとはもったいないじゃないか、エコじゃない、環境によくない、という主張です。 利益よりも環境のほうが大切ではないか、こう考えるわけです。 市場絶対主義では利益を得ること以上の価値を他に認めません。 儲けることこそが善であり目的であるのです。 それに異議を唱える人々が出てきて、その人たちの声が大きくなりつつあるわけです。 おおげさに言えば、市場原理主義の崩壊が始まった、と言えます。 儲けよりも「もったいない」の価値が上回る時代の到来かもしれません。 さて、この流れは私たちの仕事をどのように変えてゆくのでしょう。 価値観も時代と共に変わる、仕事も変わる、というのが今日の結論です。 natural imagesの新作は写真素材販売サイト デザインコンシェルジュにてご確認いただけます!
by mixa_suwa
| 2009-07-06 09:48
| 神楽坂よもやま話
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