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2010年 08月 27日
50歳を過ぎると、やたら同窓会が増えます。
先日、中学時代の同窓会があり出席しました。 そのときのエピソードを紹介します。 席が隣になった同窓生K君が自分の仕事について語ります。 K君曰く「自分は版下屋である、デザイナーではなくて版下屋である。」 DTPの時代となって、版下屋という職業が存在するのか、と思いましたがそのまま耳を傾けます。 続けて喋ります。 「ある時、写植機を600万円で購入した。文字盤も合わせれば1000万円近くになった。その写植機の支払いは5年で返済した。しかし、返済が済んだころには、DTPの時代になってしまい、この写植機は無用のものとなった。」と淡々と語ります。 写植屋の身に起こった時代の流れと運のなさを語りたいようです。 続けてK君が聞いてきます。「お前は何をしているのだ?」 私は「素材集と呼ばれる広告宣伝物に使われる写真を作って売っている。」と答えます。 私が喋り終わらないうちに、K君は素早く反応します。 「写真なんかネットでいくらでもタダで手に入る。わざわざお金を払って写真を使う人間がいまどきいるのか?」 「………。」返事のしようがありません。 彼は調子にのって喋り続けます。 先日、受託した教材関係の版下作成を行うのに、いかに不法コピーをしたかを自慢げに話します。 「写真やイラストの素材だけじゃなく、レイアウトもコピーして使った。、指定された書体ももちろんコピー、ソフトもコピー、全部コピーでいただき。お金を使うことはない。」 中学時代に万引きの成果を自慢したり、深夜徘徊で警察に捕まった武勇伝をとうとうと語っていた某氏の姿と同窓生K君の今の姿が重なりました。 不良がカッコイイと思う中坊の心理が、オヤジになってもそのままということでしょうね。 「それで、お前が売る素材集は1枚いくらなんだ?」と続いて質問です。 「安いものは1枚1万円。」と答えます。 同窓生K君はにんまりと笑いながら、「その1枚は間違いなく20人にはコピーされて使われているな。」 彼の理屈を想像してみました。 クライアントからの仕事は激減で版下屋も近いうちにたたまざるを得ない状況である。 仕事は安くて、とても素材やアプリケーションソフトにお金を使う余裕はない。 というよりも、素材であろうがソフトであろうが、いくらでも無償で入手できるものを、なぜわざわざ金を払う必要があるのか?という感じでしょう。 自分勝手な理屈だけど、本人はそれで納得してしまっているところが恐ろしいです。 残念ながら、この手の話は同窓生K君から聞いたことが初めてではありません。 懇意にしているカメラマンから、フリーのデザイナーは素材集は仲間内で使いまわすことが当然で、1枚の素材集は10人くらいで共有していると聞いたことがあります。 この同窓生K君の話は特別なことではないようです。 デザイン、版下作成の現場では日常的に行なわれていることの一例ということでしょう。 30年ぶりに会った同窓生K君の話に、頭を抱え込む私です。 どう対処すべきか?どんな策が考えられるのか? エンドレスの問答が無力感にさいなまれながら、頭のなかで続くのでした。 詳細はコチラ!
by mixa_suwa
| 2010-08-27 09:55
| ストックフォト
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