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2011年 09月 05日
神聖かまってちゃんというバンド、聞いたことありますか?
先日、SMAPの中居君が司会を務める生放送の音楽番組で大暴れして顰蹙を買っていることは耳目に新しいです。 私が愛読するオタク向けの音楽雑誌ミュージックマガジンでも、頻繁に取上げられるバンドです。 いじめ、ひきこもりの体験を歌にして、10代の若者を中心に熱狂的に支持されているというのがキャッチフレーズです。 正直なところ、ナルシストっぽいバンド名や歌詞の内容、あるいはライブでの奇行など、アラハンの私にはまったく興味が持てそうにありませんでした。むしろ聞きたくない見たくないという嫌悪感が先にありました。 こういう感覚を持つなら、曲を聞く機会もないまま無視するのが普通です。 しかし偶然が起ります。慣れないスマートフォンをいじっていて、たまたまYOUTUBEでアップされているPVを見てしまいました。 「ロックンロールは鳴りやまないっ」という曲です。ガツーンと衝撃を受けました。 震えるくらいに感動しました。 メランコリックなメロディーラインに、リアル過ぎるヒリヒリするような痛い歌詞。 激しい音にのせてシャウトする狂おしいボーカル。 生き急ぐのか、死に急ぐのか、病んでいる人間の切実な感情が爆発しています。 小学生の作文みたいな歌詞はレトリックに凝ったり、唸るような描写とは全く無縁です。 感じたまま、思ったままを一切の虚飾なしにストレートに吐き出す姿は大人への成長を拒否しているかのようです。 ロックンロールの初期にあった破壊衝動が、まぎれもなく彼らの音楽にはあります。 おっさんやオヤジなら80年代のパンクロックを思い出すでしょう。 しかし、パンクロックがチンピラ、不良が権威、体制に反抗するという態度が売り物だったのに比べると明らかにベクトルの方向が違います。 ダメな自分、つまらない日常、自分をいじめた人間のこと、つまり彼らの視点は半径1メートル以内の内側にしかありません。 甘ったれてダメな自分と身近な人へ向けられたマイナスエネルギーの凄さは半端ではありません。 パンクロックバンドが下手をウリにして3コードでガチャガチャやっていたのに比べると、このバンドのアンサンブルはしっかりしています。 パンクロックは今から振り返ればファッションだけで音楽的価値は低いと言わざるを得ませんが、しかしかまってちゃんは楽曲のレベルは高いです。 これは作詞作曲を担当するの子(ボーカル担当)の才能といっていいでしょう。 この子の前では、セックス・ピストルズのジョニー・ロットン(後にジョニー・ライドン)もひれ伏すしかありません。 しかし、こう書いても、彼らのライブに足を運ぶことはないでしょう。 彼らの世界に共感するには、私は年をとりすぎているし、置かれている環境が違いすぎます。 才能を認めて、彼らの音楽を遠くから応援するくらいの関わりが適当なのでしょう。 私がこのストックフォトビジネスを通して分かったことのひとつに“作品と人格は別”というのがあります。 常識を備えて誠実に仕事をこなしてくれる人でも、残念な作品しかあがってこないこともあり、怠惰で問題ばかり起こす奇人でも、作品は素晴らしいことはよくあります。 努力では補えない持って生まれた才能、というのは確実にあります。 このバンドに私はそれを認めざるを得ません。 成長が止まってから20年の超成熟社会・日本から生まれた異形のこのバンド、いまの時代を象徴しているように思えます。 ちなみに今日の写真。YOU TUBEにアップされた彼らの「夜空の虫とどこまでも」のPVに使われたものです。 マイザ・イメージライブラリーVol.201「子供たちの思い出」に収録されている1枚です。 詳細はコチラ!
by mixa_suwa
| 2011-09-05 09:52
| 神楽坂日記
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