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2012年 03月 23日
加賀電子さんが今月21日で画像素材販売事業を終了しました。
http://photo.designers-garage.jp/index.html 今から15年以上も前に、前身の前身、ミスミ時代からのお付き合いとなる私にとっては感慨深いものがあります。 1冊の分厚いカタログが目の前にあります。 10年前の2002年に発行されたMulti Bits IMAGES デジタルデザイン通販カタログという名付けられた834ページの大著です。 当時、江東区の東陽町にあったミスミ デジタルサプライチームの企画、編集によるもので素材集4000タイトルが紹介されています。 DTPの普及によりプロの写真を手軽に使用できる環境が整った時代に、ストックフォトとも印刷業界とも違うところから、通信販売という新しい販売手法で彗星のように現れた存在、それがMulti-bitsでした。 このMulti-Bitsが登場する前はプロの写真を使うのはレンタルポジと相場が決まっていました。 新しく登場した素材集CD-ROMは印刷関連商社かパソコンショップで購入するのが普通でした。 ところが、近くにパソコンショップがないとか、あっても買いに行く時間のないデザイナーは素材集の入手に難儀していました。 そこに申し込めば、翌日には手元届けるという画期的な販売方法で、Multi-Bitsはこのマーケットに入り込んでいきました。 たしか、この分厚いカタログを3万部以上送付していたのですから、すごい馬力と勢いだったのです。 売上も最大年商40億あったのだと記憶しています。 小さな素材集メーカーは売上の90%がMulti-Bitsで占められているなんてところもありました。 グラフィックデザイナーにとっては本当になくてはならない存在として君臨していました。 久しぶりに手にして眺めてみると、デザイナーの使い勝手のことをよく考えた力作であることが分かります。 どのようにして素材集を使いこなすのか、各メーカーごとの規約の違いを一覧表にして分かりやすく説明するなど、現在のWEBよりも親切に作ってあります。 カタログだけでなく、販売している写真も今よりずっとお金と手間がかかってアイデア豊かな商品がたくさんあります。 素材集の時代だったのです。 このカタログこそがMulti-bitsだったのだとつくづく思います。 紙のカタログの重要度が減り、WEBの時代に移り変わるとともに、Multi-Bitsの勢いも陰りを見せるようになりました。 この文章を書いていると歴代の担当者の顔と名前が浮かんできます。 皆さん、今はどうされているんだろう、などと考え込んでしまいました。 ビジネスに勢いがあったためか、才能豊かでやる気の固まりみたいな人ばかりでした。 締切1週間くらいは泊まり込みで床に段ボールを敷いて仮眠をとりつつ頑張った女性社員もいました。 懐かしい思い出ですね。 素材集CD-ROMの栄枯盛衰を、そのまま体現していたのがMulti-Bitsだったのでしょう。 ひとつの時代を切り開き、時代の幕を引いて退場してゆくのです。 詳細はコチラ!
by mixa_suwa
| 2012-03-23 09:41
| ストックフォト
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