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2012年 05月 02日
ゴールデンウィークの谷間、与太話にお付き合いください。
20歳ほど離れた従兄が先月亡くなりました。 彼のことを私は“マーちゃん”と呼んでいました。 従兄といっても20歳離れていると、一緒に遊んだという思い出はなく、どちらかというと叔父のような存在でした。 亡くなったことを知ったのは、家に届いた廃業のお知らせのハガキです。 マーちゃんは半世紀に渡り、牛乳運搬業を経営していたのですが、彼の死とともに廃業となったのでした。 思い出話しをひとつ。 私が、まだ大学生だった頃、つまり30年以上も昔のことです。 毎年、正月になると顔を合わせるのですが、私の顔を見るなり「ヒロくん(私のことです)、赤旗ふっとってはいかんよー。」というのです。 たしかに、私は民主青年同盟の諸君が幅を利かす学校で学んでいましたが、当時の言葉で言えばノンポリの青年でした。 マーちゃんが、このようなことを言うには理由があります。 彼は大臣まで勤めた地元の国会議員を一生懸命に応援していました。 選挙となれば、仕事をほっぽり出して駆けつけ、集票マシーンとして働いていたのでした。 当時は反動自民党などということばが、私の周りでは飛び交う時代でした。 ノンポリでも多少は感化されていた私は、このマーちゃんの行動について批判的なことを口にして言い合いになりました。 何のために応援するのだと聞くと、運送業にはつきものの交通事故が起こったときに穏便にすますための口利きをしてもらうため、と答えました。 マルクスの資本論を勉強している時期でしたから、政治家の力を商売に使うことは汚いことだと決めつけて批判したのです。 マーちゃんの反論はこんな具合でした。 「ヒロくん。それは違う。俺は先生のために一生懸命働く。先生が恩に感じたら、俺にお返しをするのは当たり前だ。」 つまりギブ・アンド・テークの関係だがら、何ら恥じることはない、というのが彼の言い分でした。 従業員数名の有限会社を潰さないようにすることが、どんなに大変かは、学生に理解できるはずもありません。 青臭い理屈と生き残るための処世術ではかみ合う訳もなく、平行線をたどってお終い、となるのでした。 世の中きれいごとだけではなんともならない、などということは世に出て痛い目に遭わないと分かりません。 手法の是非はともかく、マーちゃんは会社のために頑張っていたことを、今の私なら理解できます。 15年ほど前に実家で会ったのが最後になりました。 天国から「ヒロ君、赤旗は降らんかったなあ。俺の言うことが分かっただろ。」とでも言ってる気がします。 詳細はコチラ!
by mixa_suwa
| 2012-05-02 10:23
| 神楽坂日記
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