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2014年 08月 18日
アメリカで起こっていることは5年遅れて日本でも起こる。
多くのビジネスで言われることです。 私もこのブログで何度も書きましたし、旅行業界でも同じことが言われていることを紹介しました。 ここ2,3年でアメリカのストックフォトで起こっていることを観察すれば、数年後の日本のマーケットでも同じことが起こると考えておいたほうがいいです。 それは何か?答えはサブスクリプションの隆盛です。 サブスクリプションとは定額制の販売方法のことです。 最大成功者のShutter stock(シャッターストック)が代表例でしょう。 シャッター社は2003年に設立し、2012年にニューヨーク証券所に上場、年商236億円、時価総額2933億円、扱い点数4000万点と、大きく成長しました。(1ドル=100円で換算) サブスクリプションの販売が伸びると、1点づつ課金されるダウンロードでの販売は反対に減ってゆきます。 マーケット全体は大きくなるわけではなく、定額制がシェアを奪えば、ダウンロードはシェアを奪われます。 世界最大のG社も影響を受けているようで、ダウンロード販売から定額制販売に軸足を移しているように思えます。 マイクロストックの代表的な会社は、定額制をこれからの主戦場とみて、どこも力を入れています。 ジャンルは異なりますが、音楽でも1曲1曲ダウンロードで購入するというスタイルから、聞き放題のストリーミング配信にファンの支持は移っているという記事を目にします。 サブスクリプションは、使う側にすれば予算を気にせず、大量のコンテンツを安価に使用できますから、ありがたいサービスです。 エージェンシーにとっても、顧客の囲い込みができ、グロスの売り上げは増えますからメリットのある販売方法です。 この販売方法で困るのはコンテンツを提供するクリエーターやプロダクションです。 写真1枚使われて50円では、採算に合わせることは至難の業です。 チリも積もれば山とエージェンシーはいいますが、チリはなんぼ積もってもチリ、というのが少し手がけてみた実感です。 ストックフォト1枚が何回販売できるかを表す数字が回転率です。 1回販売できれば100%、2回販売できれば200%です。 大昔、ポジの時代は10%、つまり10枚写真を預けてそのうちの1枚が1回使用されれば、元が取れると考えられていました。 ところが得られるロイヤリティー50円では4,50回の販売、回転率4000%でなければ採算が合いません。 いくら単価が安くなっても、写真を使用するマーケットが50倍,100倍にはなりません。 となると、定額制に写真を投入しても元が取れないと結論付けられます。 では、どう対応するか? 結局、新作を投入するのではなく、ダウンロードで販売した後、償却が終わる3年以降に定額制に投入するくらいしか考え付きません。 さて、定額制の普及で岐路に立たされるカメラマン、プロダクションはどう動くのでしょうね。
by mixa_suwa
| 2014-08-18 09:30
| ストックフォト
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