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2014年 10月 06日
今日、ご紹介するには「地方消滅 増田寛也編著/中公新書」です。
出版社からの紹介はこちらです。http://www.chuko.co.jp/shinsho/2014/08/102282.html さまざまなメディアで取り上げられて、反響を呼んでいる新書です。 サブタイトルにあるように“東京一極集中化が招く人口急減”の未来をデータで示して、その対策と戦略を提示する、といった内容です。 なるほど、何も手を打たないのであれば日本は急激に人口が減少して悲惨な未来が待っているわけです。 896の市町村が消える前に何をすべきか、を考え実行しなくてはならないと即します。 不謹慎な意見を述べます。 人口が減少して、地方が消滅することは、なんとしても防がなくてはいけないのでしょうか。 日本の少子高齢化は、中国のような一人っ子政策の結果ではありません。 国民の自由意思に基づいた選択の総計が、こうなったものです。 東京への一極集中も、政策的なものではありません。 国民が住居選択の自由を行使した結果、こうなったものです。 少子高齢化と東京の一極集中により「地方消滅」となっても、それは国民の意思による選択であるならやむを得ない、と考えるのは無理がありますか。 この書に書かれる未来は、たとえ悲惨なものであっても国民が望んだものであり、強制されたものではありません。 地方消滅は国民の自由意思による選択の結果だから仕方ない、とはならないでしょうか? 未来に対して無責任だとも思いますが、現在のわれわれが将来世代に対して責任を持つ必要があるのか、とも思います。 人口が爆発的に増えているのは、例外なく発展途上国です。 アフリカやアジアのGDPの低い国ほど出生率が高くなっています。 日本で出生率が高かったのは、戦前と戦後20年程の頃です。 私の両親は昭和ひとけた生まれですが、兄弟は母方5人、父方9人います。家内の父親にいたっては13人兄弟です。 当時は5人、6人兄弟は当たり前だったと聞きます。 では、戦前は現在に比べ子供を育てる環境が今以上に整っていたのでしょうか?もちろん、そんなことはありません。 大半の国民はそれこそ食うに必死で、ゆとりとは縁遠い生活であったことでしょう。 発展途上国と日本の戦前に共通することは貧しいということです。 衛生状態も悪く、半作と呼ばれ生まれた子供の半分は小さいうちになくなってしまうと聞きました。 年金制度も整っていなかったので、老後は子供が頼りであったし、子供も労働力としてあてにされていた時代です。 となると、貧しくなれば出生率も高くなるという結論が導き出されませんか? 日本の産業が発展し、人口が増えるのは、大体が大きな戦争が終わってからになります。 明治維新の後と、太平洋戦争後の国土の疲弊が極限まで達すると、反転して復活、成長を遂げました。 経済破綻か戦争かは分かりませんが、国が壊滅状態になり、自分の面倒を国なり共同体が面倒をみてくれない ようになれば、自然に出生率は上がるのかもしれません。 もちろん、そんな事態にはなって欲しくはありませんがハードランディングはこのような戦略でしょう。 一旦、どん底まで落ちてしまえば、後は這い上がるしかないということです。 豊かな暮らしを維持しながら、うまくソフトランディングをしようとすると、難しい戦略を立てて、上手に実行してゆくことが求められます。 自然に任せて、政策で解決する必要はないというと、暴論になるでしょうね。
by mixa_suwa
| 2014-10-06 09:30
| 神楽坂日記
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