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2015年 03月 16日
リーマンショックはストックフォト業界にとっても、大きなターニングポイントだったなあ、というお話しです。
2008年に起こったリーマンショック、覚えていらっしゃいますか? 金融機関に大きなダメージを残しただけに止まらず、さまざまな業界にも影響を与えましたね。 ストックフォト業界にも、当然のように影響が降りかかってきました。 思い出します。多くの企業で売上が減少し景気が後退してゆきました。 それに伴って、企業は売上が上がらないのであれば防衛策として経費削減に励むことになりました。 経費削減の一番のターゲットにされるのは広告予算です。 広告の予算が削られると、ストックフォトの需要も減ってゆきました。 しかし、景気後退といっても販売促進のためには広告をやめるわけにはいきません。 となると、限られた予算のなかでいかに広告宣伝物を制作するかということに目が向きます。 費用対効果を真剣に考えるようになります。 こういう状況をうまくとらえたのがマイクロストックでした。 それまでは、マイクロストックは「安かろう、悪かろう」と思われ、プロの仕事では使えないと認識されてきました。 予算が潤沢にある仕事であるなら、クオリティーの高い写真を使うのが当たり前です。 存在は知られていても、相手にされていない。こんな感じだったのです。 ところが、広告予算が絞られ、それに伴って写真使用にかけるコストも絞られるようになると状況が変わってきます。 従前からのストックフォトを使っていては予算の範囲には収まらない、といった問題が出てくることになります。 となると、圧倒的にコストに強みのあるマイクロストックに目が向くようになるのは当然の流れです。 写真を選ぶ基準が、“クオリティーから先ず価格”へと変わったのです。 それで試しに使ってみると、なんだ従前のストックフォトに比べてそん色のない写真もある、十分に使用に足るレベルのものもあるという評価になってゆきます。 このような評価をいただくと、普及に拍車がかかります。 「安かろう、悪かろう」から「安くても、品質まずまず」へと。 昔、印刷業界で言われたハイエンドからグッド・イナフに似ています。 最高でなくても、これで十分ということです。 写真を選ぶ基準が、品質から価格へと変わった。 この潮目が変わった瞬間がリーマンショックだったんだなと、今になって思います。 もちろん、すべての写真を選ぶ基準が価格になったわけではありません。 潤沢な予算がある広告や、こだわりの画像を求められれば、RMでしか入手できない画像はたくさんあります。 しかし、100円で販売されている写真と30000円で販売されている写真が、品質で多少の差しかなければ100円のものが選ばれるのは当然です。 その当然なことを気づかせるきっかけになったのは、リーマンショックだったのでしょう。
by mixa_suwa
| 2015-03-16 09:30
| ストックフォト
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