カテゴリ
以前の記事
ブログパーツ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2015年 03月 20日
もう10年程前のことになります。
兄弟会社の事務所を訪ねると「change or die」と大きくスローガンが掲げてありました。 横書きで縦1m横5mくらいはあったでしょう。 当時、印刷需要の低迷とDTP化の進展で、製版機器の販売金額は右肩下がりになっていました。 そこで働く社員に危機感を持たせようとしたのでしょう。変わるか、死ぬか、とはチト過激です。 「それにしても、少し煽りすぎやで。ここまで必死のパッチ(関西風の言い方です)やったら、社員は危機感を持ついうより、委縮してしまうんちゃうか」と甘いことを思ってしまいました。 でも、このスローガンは正しかったんだなと、今になって思います。 印刷マーケットの縮小は止まらず、最盛期の6兆円ビジネスから3兆8千億円になりました。 メディアの主役の座をネットに譲ってしまったことは誰の目から見ても明らかです。 特にロットの多い印刷物が減る傾向は顕著です。 オンデマンドでの小ロットという新しい分野は開拓されましたが、この需要を取り込めたのはコピー機メーカーです。 従前の大ロットのオフセット印刷をメインのターゲットとしていた関連機器メーカー、販社はじりじりと追いつめられることになります。 しかし、追いつめられたのは印刷業界だけではありません。 レンタルポジから始まったストックフォト業界も同じです。 当時、レンタルポジの用途はほとんどが印刷物作成のためでした。 そこでは製作物最少ロット10000部というようなスケールでした。 ですから写真1カットの使用料が30000円であっても成立したのでした。 エクストラライセンスの価格体系もその当時の相場に合っていたことは、先日のブログでお伝えした通りです。 デジタル化+ネット社会がもたらしたものはビジネスモデルの破壊でした。 ストックフォトビジネスは、写真を扱う商売からITビジネスへと変化したことに気がつくのは後のことです。 Change or die 死にたくなければ変わるしかない、誰もが手をこまねいて死ぬのを待っているわけではありません。 レンポジ屋もポジをスキャンし、ウェブサイトを開設しました。できる限りのデジタル化に取り組みました。 しかし、残念ながらこの程度の対応では生き残ることは難しいことです。 なぜなら、これだけではビジネスモデルはそのまま、ポジをデジタル化しただけだからです。 来るウェブ時代に求められるストックフォト単価は10分の1以下になって、扱うコンテンツも10倍以上にしなければならないという要請には答えられないからです。 求められるのはフルデジタルであったのに、手法はアナログのまま部分デジタル化で対応しようとしたのです。 ビジネスモデルそのものの変革が求められているのに、部分手直しでは対応が不可能だということです。 時代について行けなかったと言えば簡単ですが、ある意味仕方のないことです。 完全にクローズドなマーケットでプレミアム商品を扱うB2Bビジネスを、オープンマーケットでコモディティー商品を扱うようになるということは、大きなリスクを伴います。 この大きなリスクとはほぼ自滅に近いです。 なぜなら、ジリ貧となってはいるものの、それで食わせてもらっている商売を捨てることになるからです。 Changeでほぼ自滅、dieならゆっくり沈んでゆく、の二者択一しか残っていなかったんですね。 従前のままでは生き残れない、なぜならマーケットが変わってゆくのだから。 こう言われて変わることが求められます。 しかし、changeが自滅であるなら、余裕のあるうちに廃業dieを選ぶ方がよい、と業界の先輩たちは判断したのでしょう。 以上は勝手な憶測です。悪しからず。
by mixa_suwa
| 2015-03-20 09:30
| ストックフォト
|
ファン申請 |
||