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2015年 08月 17日
多くの中小企業は外部環境によって業績は左右されます。
マーケットが成長していれば業績は右肩上がり、マーケットがシュリンクに向かえば同じく業績もシュリンクしていくというのがお決まりです。 こうした景気に業績が左右される会社のことを「腰高経営」と揶揄することがあります。 私も広告業界の状況によって売上が変化すると説明すると、親会社の役員からこの言葉を浴びせられました。 「はぁ?大企業のサラリーマン経営者になにが分かる。」と心のなかで毒づきました。 先日のブログ「撤退戦の研究」を書きながら、小さなストックフォト会社が見事に撤退戦を行ったことを思い出しました。 先のサラリーマン経営者とは違い、自らリスクを負ってアゲンストの風のなかで、いかに事業を撤退してゆくかということを身を持って示してくれ経営者です。そのお話しをします。 レンタルポジから始めたフォトエージェンシーは、デジタル+ネットの時代になり撤退戦を余儀なくされます。 自分たちのアナログ時代のビジネスモデルが通用しなくなり、敗色濃厚な時代にどう対応していったのでしょう。 この経営者は現状を正確に把握して、希望的な観測を持ちませんでした。 売上が落ちているときに、いづれ景気が回復すれば自社の売上も戻るとは考えませんでした。 以前のように扱い点数を増やせば、売上も正比例で増える、という方程式が通用しなくなったことを受け入れました。 売上が落ちている原因はどこにあるのかと探りました。 どうも価格の安い画像に市場を奪われていると推測しました。 友人のデザイナーですら使ってくれなくなって聞きに行きました。 「クライアントから頂く予算では、お宅の写真を使うのは無理なんだ。」 この言葉を素直に受け入れました。 それでも、まだ自社の写真を購入しているお客さまはいる。どうしてだろう。 彼の出した答えは冷静なものでした。 「マイクロストックの存在を知らないだけだ」 すでにレンタルポジから始まったストックフォトビジネスは終わっている。 終わっても余韻は残る、今は余韻の中を漂っているだけである。 そう認識するや否や、あっという間にリストラ、リストラから廃業していました。 誰にも迷惑をかけず、自分にも余力を残した状態のままで。 この経営者から教えていただいたことは、撤退戦は早め早めの判断と対応が必須であるということです。 過去の成功に未練を持たずにリストラをここまでするのかと思うくらいに行い、希望的な観測をせずに余裕のあるうちに撤退を行いました。 自分の苦手なフィールドで戦うことはせず、戦うよりも撤退するほうが有利であると冷静に判断しました。 己を過信することなく、自分たちのビジネスモデルの終了を受け入れる。 どうしても経営者は成長させたことに話題がフォーカスされます。 しかし、戦争と同じように撤退戦をうまく行う経営者も評価されてしかるべきでしょう。 この難しい戦いを見事にやり遂げた、この先輩経営者を私は尊敬しています。
by mixa_suwa
| 2015-08-17 09:32
| ストックフォト
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