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2016年 04月 01日
前作「嫌われる勇気」は100万部を超える大ベストセラーになりました。
私もこんなエントリを書いてしまいました。 http://mixaphoto.exblog.jp/24758167/ この続編が「幸せになる勇気 岸見一郎・古賀史健/著 ダイヤモンド社」です。 またしても本屋に平積み、売れるでしょうね。 お役に立ちそうな著者インタビューはこちらです。 http://diamond.jp/articles/-/87095 前作に続いて悩める青年と哲学者との対話を通してアドラー心理学を解説してゆきます。 アドラーの教えに目覚めた青年が教師となり、アドラー心理学を実践しようとしたが現場では上手くいかず、哲学者を再訪するという舞台立てです。 うまい構成です。私も前著を3回、他のアドラー本を数冊読みました。 なるほどこんな心理学もあるのかと衝撃を受け、少しは理解を深めようと努めました。 正直なところ、頭で理解することはできても実践は難しい、実際の生活には影響を及ぼさない机上の空論だなと結論付けてしまいました。 本書では私が疑問に思ったことのほとんどを青年が哲人にぶつけています。 こうした批判や疑問が出るのは、お見通しだったのでしょう。 お見通しというより、アドラー心理学ではよく出てくる疑問なのでしょう。 その疑問にも上手に回答していて論理の破たんはありません。 字面を追って、なるほどなるほどと思いながら読んでいると、青年と同じく哲人に論破されてしまいます。 アドラー心理学は、本書にもあるように科学よりも哲学といったほうがいいです。 人間とはこのようなものだ、社会とはこのようなものだ、だからこういうように行動せねばならぬ、と教えてくれます。 それでも、こういうふうに考えるのかと理解はできても腑に落ちるまでにはなりません。 どこが引っかかるのか?といえば、前提とする社会のありようです。 私たちは資本主義経済のなかで生きています。 そのなかでは競争原理に従い、競い合うことによって経済は成長してゆきます。 他人よりも秀でることがモチベーションとなり、結果インセンティブをもたらします。 少なくとも、いままでのどのような経済システムよりも経済発展に貢献したことは間違いありません。 アドラーは競うな、優劣を否定して平等を志向しているようですが、社会主義が失敗であったことは歴史的事実です。 資本主義社会を前提にしないから絵空事になってしまっていると思います。 と今回も否定的なことを書いてしまいました。 それでも、やはり刺激的で自分の価値観をひっくり返す内容です。 なぜ、こんな理屈っぽい本が売れるんだろうと疑問に思います。 それは、現在のシステムが行き詰まり、息苦しくなっているからでしょう。 世相の反映でしょうね。
by mixa_suwa
| 2016-04-01 09:30
| 神楽坂日記
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