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2016年 05月 16日
富士フィルムの決算記事を読んで驚きました。
史上最高益。欧米でチェキの販売が大きく伸びて利益に寄与したとのことです。 競合製品がなくなり高い利益率を保っている、らしいです。 流行が終わった言い方なら、びっくりぽんやわー、です。 フィルムが激減するという危機を乗り切ったのは、医療機器、化粧品など新規分野を開拓したからと世間では思われています。 ライバルだったコダックの倒産と比べて、なんと対照的なことでしょう。 私のような印刷、写真業界で生きてきた人間には、子会社の富士ゼロックスが稼ぐ利益が支えていると認識していました。 チェキが復活したのは知っていましたが、ニュースのネタとしてはおもしろいけど売上は全体のなかでは微々たるものだろうと侮っていました。 CP+で富士フィルムはチェキを一番に押し出していましたが、一眼レフやコンパクトデジタルでは競合他社に分が悪いからだろうなどとなめたことを考えてました。 違ったんですね。チェキこそが稼ぎ頭、一押しの商品だったのです。 申し訳ありません。誤解しておりました。 チェキの第一次ブームは10年程前。 ポラロイドをよりコンシューマー向けにしたもので、別に革新的な製品ではありませんでした。 簡単に使えて、その場で写真が見られるという手軽さがうけたのでしょう。 競合はたくさんありましたが、マーケティング力でチェキは圧倒的な販売量を誇りました。 ほどなくして携帯、スマホでの写メ(そういえばこの言葉使わなくなりました)に押されて、売れ行きは落込みました。 アナログからデジタルの流れで仕方のないことだったのかもしれません。 ところが、韓国や中国の女子でブームとなり、それが逆輸入されるカタチとなりました。 今はラインアップも揃ってきて、女子向けだけではなく、兄ちゃん、おっさんが持ってもカッコいいものまであります。 webサイトの作りも素晴らしい。この辺りは長年コンシューマービジネスをやっている富士フィルムならではです。 チェキのビジネスがいいのは、ハードを売った後も消耗品は引き続いて販売できる、というビジネスモデルです。 従前の印刷、写真業界での成功モデルをそのまま踏襲していることです。 継続的にお金が入ってくる商売というのは、一度売ってしまえば買い替え需要しかない商売と比べて圧倒的に優れています。 でも今一番いいのは日経新聞が指摘するとおり、以前の競合メーカーがチェキのようなインスタントカメラの生産をやめてしまったので、ほぼ独占だからでしょう。 競合が激しくなりシェア争いに巻き込まれ、利益なき繁忙とはなっていないんですね。 こういうことを残存者利益といいます。まさにチェキの再ブレークはその典型ですね。 なぜチェキが売れるのか? モノとしての写真が楽しいからでしょう。 デジタルでは撮影しただけで後で楽しむことができない、という不満があったのでしょう。 アナログのよさが評価された、ということです。 最近はレコードやカセットテープもブームです。 写真もチェキだけでなく、フィルムカメラが復活するかもしれませんね。 手間をかけることと、データではなくモノとして手にするという楽しみが再び脚光を浴びているのかもしれません。 デジタル世代にはアナログ機器が新鮮なのでしょう。 もちろん、アナログ世代のオヤジは大歓迎です。
by mixa_suwa
| 2016-05-16 09:30
| 神楽坂日記
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