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2009年 10月 20日
![]() プロパティーリリースとは、建物・商品の所有者もしくは管理者からいただく撮影許諾、とでもいうものです。 これが話題になるのは、建物・商品の所有者、管理者から勝手に写真を撮影した、不本意な使われ方をされたとクレームになるケースが増えてきているからです。 あるプロダクションの嘆きの声です。 「屋外で撮影したものを納品すると商標・ロゴが写っていないかとか、建物が入っているとプロパティーをもらってこい、と言われるようになった。たまたま写りこんだ人物にも、モデルリリースは取得してあるかと聞かれる。実際の現場で、そこまで気が回らないし時間の余裕もない。 手間とコストのバランスが取れない。何を撮ったらいいのか分からなくなってきた。 数年前までこんなことはなかった。最近、特にうるさくなってきた。ストックの仕事はもうやめたい。」 もうひとりのカメラマンが言います。 「公道からビルを撮影していたらガードマンが飛んできた。許可をもらっているのか?総務には届け出を出しているのか?と言われた。公道から撮影するのに何で許可が要るのか、と聞くと、そういう決まりだ、と譲らないので閉口して撮影を止めた。営業妨害だよな。」 カメラマン氏の言い分が正解です。 続けて言います。 「絵になる住宅街があったので公道から撮影していたら、自治会と名乗る人が来て、何をしているんだと聞くんだ。 撮影していると答えると、止めろと言われた。どうやら泥棒の下見と思われたみたいだ。」 不謹慎ながら笑ってしまいました。 公道から風景の一部として建物を撮影してもなんの問題もないはずです。 またカメラマンには憲法で保証された「表現の自由」もあります。 しかし、法的にはカメラマンが正しくても、どうも世間の風潮は違うようです。 建物や持ち物には存在しない、肖像権が存在しているかのように思われているような気がします。 つまり、建物や持ち物を勝手に撮影されない権利を管理者は持っているかのように誤解されているようです。 また景観とか眺望も土地、建物に付随する財産の一種として勘違いされているのかもしれません まあ、法的に権利があるとかないとかは考えずに、自分が不快だと感じたら、ためらわずクレームを入れて取り下げさせよう、使わせないようにしようと行動に移してしまう人が増えているようです。 “ありもしない権利意識の高まり”とでも名づけられるかもしれません。 カメラマンもストックフォトエージェンシーも否応なく、この“ありもしない権利意識の高まり”と対峙せざるを得ない状況になりました。 やりにくい時代になったことは確かです。 この困難な時代を引き受ける覚悟が求められている、というのが今日の結論です。
by mixa_suwa
| 2009-10-20 09:30
| ストックフォト
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