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2010年 09月 13日
「風景」とは、自然の景色の意で使われますが、元々は風「かぜ」と景「ひかり」を意味していた、と漢語日暦(岩波新書・興膳宏著)で学びました。 中国は唐の時代より、風景が景色の意味で使われるようになったとか。 「光画」と呼ばれていた写真の王道は「風景」写真であることもむべなるかな、という感じです。 話題変わって。 弊社に風景写真を納めてくれる中橋富士夫さんが「風景撮影74の金言」というムック本を出版されました。 詳しくはこちらです。⇒http://www.jp-numazu.co.jp/ 中橋さんは今までに撮影ガイドシリーズ33冊を出版されていますが、34冊目となる最新作は氏の風景写真に対する教訓/想いを簡潔な言葉で表現したフォト語録の集大成というべき内容となっています。 このような撮影ガイドブックは、著名なフォトグラファーがアマチュアの趣味のために指南するというのが通常です。 作家目線の作品作りのためのガイドブックですね。 ところで、中橋さんは長年ストックフォトの世界で生きてきた方です。 こうしたガイドブックにもプロフェッショナルの仕事としてお金儲けの視点が入っているところが興味深いところです。 金言をピックアップして紹介しましょう。 たとえば、金言51は「5枚や10枚の自信作は誰にでもある。技量とは、合格点の作品を大量制作できる技術のこと。」とあります。 これは、そのままプロとアマチュアの違いを簡潔に教えてくれます。 風景写真は技量が足らなくても、たまたま行った場所、季節、天候、時間によって素晴らしい写真が撮影されてしまう場合もあります。 また、ある程度の技量があれば惜しみなく時間と手間をかければ、素晴らしい写真が撮れます。 しかし、それは採算を無視したアマチュアの世界での話であって、お金をいただくプロの世界とは違うということを述べているわけです。 仕事であればコストで判断せざるを得ないという現実を伝えています。 他の方が書いた撮影ガイドブックでは、出てこない言葉です。 最後の金言74には「風景写真の成立条件は、素晴らしい被写体を最良の条件で撮ること。」とあります。 これが極意というか至言というか、突き詰めればこの言葉がすべてを表しています。 しかし、このシンプルな言葉を実践するためには、勉強と大量の実践と経験と努力が必要になってきます。 1枚の素晴らしい風景写真を撮影するためにはロケハン、下調べをして自分の中でイメージを組み立て、その条件に逢うまで待つという行為も必要になってきます。 「苦労とは思ってないだろうけど、努力してるよなあ、あの年齢で。」と少しリスペクトです。 このガイドブックは撮影ノウハウを教えるものですが、いかにプロの風景カメラマンが奮戦努力しているかを如実に語ってくれます。 こうしてプロによって撮られた風景写真を粗末に扱ってはいけないなと思うとともに、この価値を理解してもらうのもエージェントの仕事だなと思うのです。 いくらデジタルの時代になって撮影が容易になったとはいえ、アマチュアカメラマンが観光のついでにパチリと撮った写真と同列に扱われてはいけません。 1枚の写真に込められる経験、努力、試練などを汲み取って、それを具体的な金額で返してあげるのがエージェントの務めであると、当たり前のことを思い返したのでした。 興味のある方はぜひ書店でお求めください。1714円で好評発売中です。 詳細はコチラ!
by mixa_suwa
| 2010-09-13 09:56
| ストックフォト
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