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2011年 10月 28日
釧路で鍼灸師をしている後輩のブログを読んでいたら「二十歳の原点」という言葉が出てきました。
懐かしい…、今から42年前の1969年前にベストセラーになった高野悦子・著の日記です。 この本、当時小学生だった私は中学になり友人から借りて読んだ覚えがあります。 当時は自分が高野悦子の後輩になるとは思いもよりませんでした。 後輩のニ十歳の原点は京都の三畳間の下宿であり、9か月のアフリカ放浪だといいます。 そうであるなら、私のニ十歳の原点も京都の三畳一間の共同便所風呂なしの下宿です。 当時はそれで貧しいなどと感じたことはなく、毎日が刺激的でただただ楽しかったです。 私たちの能天気なニ十歳の原点に比べて、高野悦子の認識は真摯です。 「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」タイトル名の由来になった一節です。 まじめ過ぎて、ちょっとお近づきになりたくない感じです。 ニ十歳の原点とは、このような日記です。ウィキペディアの概要を引用します。 1969年1月2日(大学2年)から同年6月22日(大学3年)までの、立命館大学での学生生活を中心に書かれている。 理想の自己像と現実の自分の姿とのギャップ、青年期特有の悩みや、生と死の間で揺れ動く心、鋭い感性によって書かれた自作の詩などが綴られている。 学生運動が盛んだった1960年代末期を代表する作品であり、現在でも取上げられることが多い。 この「ニ十歳の原点」未だにいろいろな影響を彼女の同世代、全共闘世代に与えているようですね。 ゲバ棒を振るっていた学生が教師になり、教え子に素晴らしい本だからと勧めている様子が浮かびます。 そんな彼らもすでに定年で年金暮らしを始めています。 日本が未曽有の不況のなかで、逃げ切り世代として長い老後を楽しむことでしょう。 出版流通のカスタマーレビューを読むと、この書の現在の評価が分かります。 あの時代の空気を吸った人間でなければ理解するのは難しいのかもしれません、というような断りが入っているケースが多いですね。 私も現代の10代、20代にはなかなか共感を得られないように思います。 自分の生活の些細な悩みと、世界の動きを同じような視点で捉えることは、私も含めて全共闘世代以降の人間には不可能でしょうね。 この日記、自意識過剰な女子大生の赤裸々な少し妄想が混じったもの、と言えるかもしれません。 それが、なぜあれだけ売れて、多大な共感を得ることができたのか。 時代の産物なのか、それとも時代を超える普遍的な素晴らしさがあるのか。 大学時代を振り返りながら、もう一度読んでみるのも悪くないと思いました。 ところで、この書に出てくるジャズ喫茶・しあんくれーるがなくなってから何年たつのでしょう。 彼女が通った広小路校舎が閉校となってから35年になります。 時代は移り、人の価値観も変わり、街も変ってゆく、というくそおもしろくもない結論を出してしまいました。 詳細はコチラ!
by mixa_suwa
| 2011-10-28 10:15
| 神楽坂日記
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