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2012年 09月 10日
どうも固い話題が続いてしまいますがご容赦ください。
よく現行の著作権法はデジタル時代の実態にあっていないと言われます。 そうなんでしょうか?自分のフィールド、ストックフォトの場合で少し考えてみることにします。 写真を著作者の許諾なくトリミングを行ったり、上から文字を載せる、レイアウト上に並んでいる写真の色調を揃えるなどの行為は同一性保持権の侵害となります。 正確に表現すれば、侵害となる可能性があるといえるでしょう。 これを読んで不思議に思いませんか。 印刷物作成のためのDTP作業、ホームページの制作の現場では、トリミング、写真の色調を補正することは、日常的に行っている作業です。 このことを同一性保持権の侵害に当るのではないかと思って作業されているデザイナーは少ないでしょう。 トリミング、色調の補正はデジタルになってから始まったものではありませんが、デジタルの時代になって以前とは比較にならないくらいに容易になりました。 デザイナー、DTPオペレーターは日々の仕事として淡々と作業を行い、自分の仕事が著作権違反では?と疑問を持つことはないと思われます。 例えば、商品カタログで1ページに数十点商品が並んでいる場合、背景の色を統一することは当たり前の作業として行われます。これは厳密に言えば、同一性保持権の侵害に当るのでしょう。 また決められたレイアウトに流し込むトリミング作業も同一性保持権の侵害になる、ということになりますか? このトリミングや色調補正という行為、デジタルの時代となってからきわめて容易なものとなりました。 印刷物を作成するソフトウェア、イラストレーター、フォトショップを使う方であれば、仕上がりはともかく誰でも 特別なスキルを身につけることなくトリミング、色調補正を行うことができます。 このようなプロ向けソフトでなくても、スマホで使うアプリなどで写真をトリミングしたり、加工することは、特別なスキルを必要とせず、誰でも行えるようになりました。 そうなると、自分以外の人が撮影した写真を扱うことは、ほとんどの場合、同一性保持権を侵害しているとなります。 もちろん、業務上必要なトリミングや差し支えのない色調補正に目くじらを立てるストックフォトカメラマンはいません。 しかし、この業務上で必要なのか、あるいは著作者の意図に反するくらいのものなのかの判断は難しいです。 というか基準がありません。著作権者がどう思うかにかかってきます。 えっ?俺の仕事は著作権侵害になるのか…、と心配になった方はいらっしゃいますか? 安心ください。ロイヤリティーフリー(RF)で販売されている写真は、トリミングも加工も許可していますから、著作権侵害を心配することなく使用できます。 ところで、プロカメラマンの多くは、ロイヤリティーフリー(RF)という販売形態に賛同しているわけではありません。 自分が撮影した写真を、作品として色調、トリミングなどを他人に勝手に触られることを厭う方もいらっしゃいます。 というか、作家として考えるのであれば、作品は自分がコントロールするものと考えるのが普通です。 しかし、残酷なことに写真がデジタル化されデータになった途端、写真は素材になってしまいます。 その素材をいじることは極めて容易になったことは何度も述べたとおりです。 法的な抑制が利かないのであれば、自分の写真が作者の意図と大きく異なるトリミングを施されたり、加工をされることは当たり前になってしまいました。 で、結論です。 現著作権法はアナログの著作物しかなかった時代に制定されたもので、デジタル時代の実態には合っていない、というのはストックフォトにも言えます。と、言いきっていいのか少し悩みどころですが…。
by mixa_suwa
| 2012-09-10 09:42
| ストックフォト
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