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2013年 09月 17日
今日、ご紹介するのは「嫌な女/桂望実(かつらのぞみ)」光文社文庫です。
いつものように家内が購入し家庭内課題図書となってしまったので渋々読み始めました。 嫌な女…、タイトルでひいてしまいます。ダッさー、て感じですかね。 プロフィールを読むと家内と同世代の作者。 「知らないなあ。まあ同性同世代だから興味持つんだろう」と嫌味なことを思いました。 ところが、読み進めていくと帯のキャッチ「タイトルに騙されないで!!」「ズズン!と感動!!」があながちウソではありません。 方言がメチャクチャだったり、物語の設定が大アマだったり、と突っ込みどころ満載なのですが、たしかに読後感は爽快で「あ、人生って素晴らしい!」と素直に思わせてくれます。 ちなみに「」内の文章は本読みのプロの書店員さんたちのコピーです。 出版社からの紹介はこちらです。 http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334765767 年齢を重ねないと分からないことがある。 陳腐な表現ですが、人生も折り返し地点を超えると、このように実感することが増えてきます。 この小説には、このように思わせるようなエピソードがたくさん出てきます。 対象的な同い年の女性2人が主人公。 ひとりの嫌な女の詐欺師が起こすトラブルを、もうひとり主人公の女性弁護士がしりぬぐいをする話しを50年間に渡って追いかけるという内容です。 最初の話しは24歳の時、次は5年後、その次は7年後という具合に。 主人公が年齢を加え、年齢にふさわしいエピソードが重なってゆきます。 この構成は唸るくらいの効果をあげます。 最初はありふれたつまらない話しだなと思いましたが、主人公たちが年を取れば取るほど味わいは深くなってゆきます。 肉体の衰えと反比例するように、さまざまな経験を積むことによって人生は豊かになってゆく、ということを物語で教えてくれているような気がします。 日々の暮らしってうまくいかないことばかりだ。楽しいことは少なく、苦労ばかり多いが、それでも誰にでも幸せな時は訪れる。 文章にするととても恥ずかしいのですが、こんなふうに思わせてくれると書くと褒めすぎでしょうか。 正直なところ、個々のエピソードは安っぽいお涙ちょうだいなのですが、そのお涙ちょうだいがよいのです。 あ、ここで泣かそうとしているな、と分かりながらも目頭が熱くなってきて通勤時に困ってしまいました。 40を超えると涙もろくなってくると、あるミュージシャンが言っていましたが、その通りです。 さて、このブログを読まれて興味を持たれましたか? 読みやすい文章と内容なので、日頃小説をあまり読まない方にもおすすめできます
by mixa_suwa
| 2013-09-17 09:30
| 神楽坂日記
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