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2013年 11月 18日
先月、東京ビックサイトで印刷関連業界の展示会JGASが開催されました。
私も見学に訪れ、昔の同僚と近況を語り合いました。 定年まで片手で余る年齢となった同期は、うれしいことに担当部長の肩書でまだ販売の一線に立ち続けています。 現在の販売状況を聞くと、「ええわけないやろ。」との返答。 このブログで何度も書いていますが、印刷業は構造不況業種となって久しく、20年前には3万社あった印刷会社は現在12800社へと激減、10年後には更に半減と予想される厳しい状況です。 そんな環境のなかで、彼の営業数字だけがいいわけがありません。 続けて曰く「売るもんがあらへんねん。」 既存のビジネスは縮小するばかりなので、従来型商品の販売機会は減るばかりです。 新しく期待されるデジタル印刷のマーケットは、期待ほどには需要が高まらないといった状況がこの発言の背景にはあります。 数字が足らないのは、俺の営業力が足らないのではない、お客さんはがっちり掴んでいるんだ、売れる商品があればなあ、という嘆息が聞こえてくるようです。 別れた後に、ふと考えました。 自分ならどうするだろうか?販売する商品がないなどとは嘆きはしないだろうなあ…。 多分、売れる商品やサービスを必死になって考えて作るだろうな、自分で作れなかったら売れそうな商品を一生懸命探して仕入れるだろうなあ、と思いました。 一体、彼と私の違いはどこから生まれてくるんだろう?また考えてしまいました。 簡単なことです。彼は大きな会社の販売担当部長であり、私は中小企業の社長だからです。 彼は会社から与えられた職務(販売ですね)に励むことが使命であり、会社の業績に責任を持つ必要はありません。 私は、売る商品がなければ即倒産、自分だけでなく従業員も路頭に迷わせてしまいますから、悠長なことは言っておられない。それだけのことです。 売るものが無ければ、自分で作ろうとか、どこから売れるものを仕入れようという発想が、なぜ彼から出てこないのでしょうか。 またまた考えてしまいました。 それは製造を担当する人間の仕事であり、販売企画を考える人間の仕事であって、己が担当する仕事ではない考えているからです。 もちろん、扱う商品は複雑なもので販売担当者が企画、制作できるものではないという事情もあります 以前にも書きましたが、大企業の社員の多くは狭い分野のエキスパートです。 彼は印刷業界相手のメーカーの販売担当です。担当している会社の社長の私生活の情報は必要であっても、商品を企画する能力は求められません。 この仕事を33年間、一意専心に励んできた結果が、彼の発言になったのでしょう。 良かったとか悪かったとかではありません。 私も学校を卒業してから13年間は彼と同じ仕事をしてきました。そのまま続けていれば、彼と同じような発想になっていたでしょう。 たまたま途中で道を違えて、スモールビジネスに取組み、独立しました。 そうすると、与えられた環境を嘆くのではなく、そのなかで何とかせざるを得なくなります。 何とかするとは、自分で考えて、自分で行動を起こさなければならないということです。 袂を分かってから20年の歳月が発想の違いを生んだのでした。 大企業のサラリーマンから中小企業の社長に変わったんだなと、しみじみ思いました。
by mixa_suwa
| 2013-11-18 09:30
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