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2013年 12月 06日
東南アジアに進出する知り合いが増えています。
インドネシアでベンチャーキャピタルを経営する人、税理士法人を立ち上げる人、ベトナムでソフト開発を行う人、シンガポールで現地法人を立ち上げる人などなど…。 彼らには共通した考えがあります。 日本のマーケットに限界を感じていて、会社を伸長させるためにはアジアに出るしかないという危機感です。 少子高齢化が進む日本に見切りをつけて、発展途上から中進国へと向かう東南アジアマーケットに活路を見出そうというわけです。 アジアに進出するもうひとつの理由は、日本で制作していては採算に合わない、というものがあげられます。 さまざまな工業製品が日本から離れて、生産拠点を海外に移しているという記事は相変わらずよく目にします。 工業製品だけでなくソフトウェアの開発、コールセンターなどのサービス業務も同じような動きが見受けられます。 それでは、日本マーケット向けのストックフォトの撮影も海外で行われるようになるのでしょうか? ここでの撮影とは風景ではなく、一番売れ筋の人物ものに限って考えてみます。 人物の撮影にかかるコストで一番大きいのは人件費(カメラマンフィー、モデルフィー)とスタジオフィーです。 単純に考えると、中国やマレイシアで撮影を行えば、劇的にコストは下がるように思えます。 こんなことはとうの昔に誰かが行っていそうですが、あまり聞きませんね。 コスト的に有利なことは簡単に分かりますから、どんどん制作されていてもよさそうです。 なぜされないのか?このことを考える前に、それでは中国、マレイシアの人物もの写真が日本で売れているのかを考えてみましょう。 調べるまでもありません。販売実績は少ないでしょう。 旅行用パンフで使用するなどのニーズは若干あるかもしれませんが、広告で利用されるライフスタイル系のものはまず使用されることはないでしょうね。 少し前に台湾、韓国のものが少量ですが入ってきましたが、たいした実績はあげられなかったように感じます。 どうしてでしょうか? それは、日本のものとはチョット違うからでしょうね。 台湾、韓国の人はたしかに日本人に似てはいるが、表情の作りかた、ファッション、女性のメーク、好まれるポーズが違います。 いくらコンテンツの価格が安くとも、日本マーケット向けの広告には使えないと思われるのでしょう。 ですから、外国人スタッフが日本向けに現地モデル、カメラマンを使っても、なかなか日本仕様のストックフォトにはならないと思います。 文化、生活習慣の違いが写真には出てしまうから、ということになります。 いうならば非関税障壁でしょう。 しかし、逆にいえば、日本マーケット向けのストックフォトを、そのまま東南アジアに持っていっても需要は限られるということもいえるでしょう。 一定のニーズはあるかもしれませんが、求められるのは、その国のファッション、ライフスタイル、文化を反映しているストックフォトです。 現実にシンガポール、マレイシアで扱ってもらっている弊社の扱い高は大したものではありませんし、逆に台湾から仕入れた商品の売れ行きも芳しいものではありません。 結局、ストックフォトはターゲットにしているマーケットの文化に精通している人間が制作しないとダメ、ローカライズされなければならない商材なのでしょう。 ビジネスモデルはネット時代になってから、かなり近くなってきましたが、写真そのものは現地仕様でなければいけないようです。 少し考えたら当たり前のことです。ここ10年くらいで欧米コンプレックスがめっきり減ったせいか、白人モデルを使った広告がめっきり減りました。 日本人向けの広告に、モデルだけ白人というのもおかしなものだと、皆が思うようになったのでしょう。 同じように、アジアの人たちでも自分たち向けの広告は自国モデルで自分たちの文化を反映したものを望むのではないでしょうか。 ですから、東南アジア進出成功のカギはローカライズをいかに徹底できるかでしょうね。 自国文化の押しつけではマーケットはにっこり笑ってはくれないようです。 皆さまのご検討をお祈りいたします。
by mixa_suwa
| 2013-12-06 09:30
| ストックフォト
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