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2014年 08月 22日
べテランのカメラマンと話をすると、昔は良かった、儲かったといいます。
続けて、それに比べて、今はさっぱり儲からなくなった、という愚痴になり、最後の決め台詞(せりふ)は「カメラマンは男子一生の仕事じゃなくなった。」です。 彼らには、男は一家の大黒柱として、女房子供を養うのが当り前だという意識があります。 腕一本で、そこらのサラーリマンの何倍も稼いでやるという気概もありました。 現実的にバブル時代には、1億を超える年商をあげるカメラマンはいましたし、3000万円程度の年商であれば、それこそざらにいました。 作家と呼ばれ、芸術家でありながら職人としてのプライドも持てる、誰もが憧れるカッコいい職業だとの自負がありました。 そういう輝かしい時代を知っているだけに、現状に不満たらたらなのも致し方ありません。 それに比べて、今どきカメラマンは違います。 好きな撮影をして、自分ひとりが暮らしてゆけるなら幸せ、という欲の無さです。 女房を養うのではなく、パートナーも働いて、ふたりで家計を支えようとします。 たくさん稼いで、ぜいたくな暮らしを目指そうと思う人間は少なくなりました。 手堅いというより、環境に適応していると感じます。 正直なところ、写真の価値が落ちてしまった現在では、一発当てて金持ちになってやろうと思ったところで実現する可能性はかなり低いです。 そんな野心よりも、好きな仕事で生活できるならそれで幸せだ、とでも思っているのでしょうか。 気負いというものが感じられません。 このように書くと、物足らないように思っているように感じられるかもしれませんが逆です。 スマートというかクレバーというか、現実的な対応ができる賢さを感じます。 彼らはベテランカメラマンと比べて、圧倒的に優れているのはマーケティングスキルとITリテラシーです。 このスキルを駆使して、厳しいマーケットのなかで淡々と戦っているようです。 ベテランカメラマンの同世代の私には少しまぶしいですね。 結局、ベテランが時代に置いてけぼりにされるのはITリテラシーが乏しいからだけではなく、考え方そのもの、ひとことで言えば価値観ですが、これが時代に合わないのでしょう。 「男子一生の仕事」の意味するものが、女房子供を食わす仕事から、自分が食ってゆくだけの仕事に変わっていったと考えたほうが良いのでしょう。 時代の変化に伴い、言葉の意味するものも変化するのでしょう。 この変化についてゆけないと、用無しの烙印を押されて市場から退場を迫られることになります。
by mixa_suwa
| 2014-08-22 09:30
| ストックフォト
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