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2015年 02月 06日
むかーし、昔のお話しです。
といっても、ほんの25年程前のことです。 当時のストックフォトはポジフィルムを貸し出すというビジネスでした。レンポジですね。 販売方法は、今でいうライツマネージド(RM)しかありませんでした。 このポジを何に使うのかを聞いて、1回の使用、使うサイズについてそれぞれお金をいただくという仕組みです。 1種1号1回1版という言葉を聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。 そこに、あるグラフィックデザイナーが不満を持ちました。アメリカの方です。 同じ写真を使うのに、なぜサイズが変わったり、使う媒体が変わったり、あるいは2,3回使うと料金が 加算されるのだ?1回使用料を払えば、いつまでも何度でも使えるような写真があってもよさそうなのに…。 その不満が商品となったのがロイヤリティーフリー(RF)です。 使う側の不満から生み出されたことに注目してください。 ロイヤリティーフリー(RF)という販売方法はデジタル化と歩調を合わせています。 もともとポジフィルムの貸し出しだけを行っていたのが、後工程の分解作業(スキャン)までもサービスにしてしまったことからフォトエージェンシーのデジタル化は始まりました。 日本のRFビジネスはこのデジタル化された画像をCD-ROMに収録して販売することにより始まりました。 ネットのない時代、RFの曙(あけぼの)とでも呼びましょうか。 この後、デジタルカメラの登場によりデジタル化は大きく伸張することになります。 デジタルカメラはカメラマンに恩恵と危機のふたつの影響を与えることになりました。 撮影直後に確認できることは無駄な撮影を減らし、フィルムを使わないことは大きなコストダウンになりました。 しかし、この従来の中・大版カメラを使用しポジフィルムを撮影し、ドラムスキャンで分解するという工程は、プロカメラマンの既得権を守る役割を持っていました。 元々中・大版カメラはおいそれとはアマチュアが購入できるものではありませんし、ましてやポジフィルムは 印刷物の原稿用で高いものです。アマチュアには手がだしにくい存在でした。 また、印刷物を作ろうとすると製版会社が所有する1台数千万円以上したドラムスキャナで分解するしかありませんでした。 要するに、厳然たるプロの世界だったわけです。 それが、アマチュアが数万円のデジタルカメラで撮影しても、条件さえ揃えばそれなりの写真が撮れる時代となりました。 カメラマンにとってデジタルカメラが天使と悪魔であるのと同様に、フォトエージェンシーにとってはwebサイトで販売を行うことが天使にも悪魔にもなりました。 その昔は紙媒体のカタログを配布し、ポジフィルムを貸し出ししていたわけです。 お客様の事情をよく理解したリサーチャーと呼ばれる人たちが、電話で要望を聞き、候補となるポジフィルムを集めお届けするというサービスを行っていました。 あるいはお客様自らがフォトエージェンシーに出向きライトテーブルのうえでポジフィルムをめくっていたのでした。 ですから、お客様はそれほど遠くの方は少なく、広告関連業者の集まる銀座、青山に多くあったわけです。 コストのかかる印刷物を制作し、家賃の高いオフィスを借りられる体力が必要とされたわけです。 それが、ウェブサイトを開設し、ネットでコンテンツを募集する時代となります。 アナログの時代の障壁が取り除かれると、業界への参入が容易となりました。 デジタル+ネットはRFという販売方法にぴったりマッチしています。 RMに比べて制約事項が格段に少ないので、価格が分かりやすく決済方法もカード決済など簡便な方法がとれるようになります。 というように、RFが普及するのは、テクノロジーの進歩も大きく影響しているのでした。 ごくごく大雑把なRFの流れ、このビジネスにも歴史があります。
by mixa_suwa
| 2015-02-06 09:30
| ストックフォト
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