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2015年 08月 14日
この季節になると、戦争に関する番組が頻繁にオンエアされ、新聞でも大量に関連記事が特集されることになります。
大体は戦争の悲惨さを描き、二度と繰り返してはならない、というメッセージがついているようです。 今日、ご紹介する「撤退戦の研究 半藤一利・江坂彰/著 青春新書」は、この季節にふさわしい一冊でしょう。 半藤一利の原作「日本のいちばん長い日」が映画化、公開され話題だからでしょうか、この本も書店に平済です。 この本は15年程前に発刊された同名の名著に新たに加筆の上、リニューアル復刊されたものです。 出版社からの紹介はこちら。 http://www.seishun.co.jp/book/16239/ 先の大戦に対する一般的なイメージは、物量で圧倒的な差のあるアメリカにどう抗っても勝てるわけがないのに軍部が無謀にも突入し、アジアの人々と国民に塗炭の苦しみを与えた、というものでしょう。 私も戦後民主主義教育を受けましたから、漠然とそんなイメージを持って、それ以上のことを知ろうとはしませんでした。 父親から戦争のことを聞いたり、実際に父の兄(つまり伯父)が戦死していたり、実家が焼夷爆弾で焼け出されたりしたにもかかわらず、です。 父親の意見は「ひどい目に遭った。バカな戦争をしたものだ」というものでした。 そこから思考停止して、国力の差を顧みない、勝つ見込みのなかった戦争、というイメージが私にも植えつけられたのでしょう。 どうして先の大戦は負けて、何が原因だったのか?実際の個々の戦いはどうだったのか? 正直なところ意識したこともありませんでした。 痛い目に遭った経験から学んだことは、戦争は悲惨なものだ、二度と起こしてはならない、というものです。 それに加えて、戦争のことを語るのは避けるべきで、できるだけ話題にしないほうがいい、とされる雰囲気をくみ取ることです。 この本の前身(カッパ・ブックス)「撤退戦の研究」のサブ・キャッチは「日本人はなぜ、同じ失敗を繰り返すのか」です。 このサブ・キャッチが本書のキーとなります。 日本は成功体験に拘泥され、アメリカは失敗から学ぶ。このことも敗戦の原因のひとつとされています。 たしかに、失敗には目をつぶり、なかったことにして過ごしてしまう傾向が我々にあることは否めません。 この本は敗戦から学ぶことは、ビジネスにも参考になるというスタンスです。 先の大戦の敗戦に学ばなかったから、経済戦争においてもまた負けてしまった、ということです。 商品説明にはこのように書かれています。 戦後70年の今、あえて問い直す──日本人はあの戦争に「何を」置き忘れてしまったのか! 情報を軽視し、成功体験を追いかけ、撤退のタイミングを見誤る…繰り返される失敗の本質を浮かび上がらせ、21世紀を生きる私たちに大いなる示唆を投げかける渾身の対談書。 旧日本軍の戦略思想には、情報と補給の重要性が、信じられないほど希薄だった。 最悪のケースが人事。戦争に突入しても年功制にこだわった。 ソフトパワーの軽視と、過去の成功体験の復讐―いまの日本の政財界および官僚の混迷をそのままあらわしているではないか。 なぜ、日本人はかくも同じ失敗を繰り返すのか。 内容については賛否あるでしょうが、少なくとも私にとっては、失敗から学ぶことの大切さとスルーすることの怖さを教えて くれた、だけでも読む価値はありました。
by mixa_suwa
| 2015-08-14 09:30
| 神楽坂日記
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