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2008年 09月 25日
前回からの続きで、日本のロイヤリティーフリー素材の黎明期についてお伝えします。
なぜCD-ROMというメディアが使われたかには少し解説がいります。 現在と違いインターネットの環境が整っておらず、写真をダウンロードで購入するということは考えられませんでした。 ようやくパソコンが普及し始めたころで、スタンドアローンタイプが主流だったのです。 このCD-ROMが普及し始めた頃、印刷業界ではパソコンを主体とした制作システムDTP(Desk Top Publishing)に興味が集まるようになりました。 従来は複数の熟練職人が版下作成、写植、製版という工程を担っていました。その複雑な工程をデザイナーがパソコンを道具としてひとりでこの工程をこなせるようになりました。 この流れが普及したからこそ、デジタルデータはありがたみを発揮できたのでした。 素材集CD-ROMは印刷工程のデジタル化によって世に出たといっても過言ではないでしょう。すくなくとも日本では。 このことで分かるように日本のロイヤリティーフリーはデジタル化ということがキーになります。 ただし、デジタル化といってもすべての流れをデジタル化するフルデジタルでないところは注意がいります。 ポジフィルムをドラムスキャナで分解して、CD-ROMというパッケージに収録するという部分的なデジタル化です。 このようにして、印刷工程の部分デジタル化とシンクロするように日本のロイヤリティーフリーは誕生したのでした。 しかし、産声をあげてからしばらくはストックフォト業界から見れば厄介者以外のなにものでもありませんでした。 その理由については次回にまたお伝えすることにします。 とにかく、相手にしないし、扱わないという姿勢でした。 印刷工程が一挙にデジタルされたわけではないので、従来のポジフィルムの貸し出しのほうが便利だったし、アナログの工程ではアドバンテージもありました。 ですから、新しい商材=ロイヤリティーフリーを扱う必要もなかったのでした。 もっとも、ストックフォト業者のなかにも、この新しい流れに乗ろうという人間もいました。 売り切りと言う表現(貸し出しではなく販売する)でデュープフィルム(複製写真)を販売したり、別会社を作り素材集CD-ROMを制作、販売するところもありました。 しかし、あまり大きな流れとはなりませんでした。
by mixa_suwa
| 2008-09-25 10:32
| ストックフォト
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